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避難距離とは?建築基準法・消防法の距離基準を起点別に整理

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結論 — 「避難距離」は一つの基準ではありません。起点・終点・測り方を条文ごとに分けます

建築基準法令には、居室から直通階段まで、階段から屋外出口まで、排煙口までの水平距離、非常用照明の設置免除に使う距離など、別々の条件があります。消防法令にも消火器や誘導灯の配置基準があります。数字を「避難距離」と一括せず、何を起点に何を終点として測る規定かを確かめます。

令120条・121条の歩行距離と重複距離は、条文の表・例外と測定図を別記事で整理しています。本ページでは数値を重ねず、隣接する距離規定の位置づけを示します。

基準日:本文は2026年10月20日時点の施行中法令と、同日までに公布・施行された告示に基づきます。

「避難距離」は複数の規定をまとめて呼ぶときの言葉です。規定ごとに、対象となる部屋や階、避難先、距離の種類が違います。まず建築基準法の歩行距離を確認し、排煙・非常用照明・消防設備など別の条件が同じ計画に重なるかを切り分けます。

建築基準法令の距離は起点と終点で分ける

規定起点から終点まで距離の性質
令120条・121条居室の各部分から直通階段まで。2以上の階段が必要な階では、各階段へ向かう通常の歩行経路に共通する部分も確認。歩行距離。用途・構造別の上限、例外、重複区間の扱いは歩行距離と重複距離の解説を参照してください。
令125条第1項避難階では階段から屋外出口まで。避難上有効な開口部を持たない居室は、各部分から屋外出口までの距離も対象。歩行距離。階段から出口までは令120条の数値以下、対象居室から出口までは同条の数値の2倍以下です。
令126条の3第1項第3号防煙区画部分の各部分から、その区画の排煙口まで。歩行経路ではなく水平距離です。排煙口の一つまで30m以下となるよう設けます。
令126条の4第1項第4号・平成12年告示1411号令116条の2第1項第1号の窓等を有する居室と、これに類する建築物の部分(居室等)が対象です。避難階は各部分から屋外出口まで。直上階・直下階は避難階の屋外出口または屋外避難階段への出入口まで。非常用照明の設置を免除する条件の一部です。居室等のうち、避難階は歩行距離30m以下、直上・直下階は20m以下で、いずれも避難上支障がないことが必要です。一般の階段までの距離制限ではありません。平成30年告示516号は別に、床面積30㎡以下で地上への出口がある居室、または地上までの経路に非常用照明を設けた部分か採光上有効に外気へ開放された部分がある居室を対象とする例外を加えています。対象と条件は非常用照明の設置基準も参照してください。
令128条屋外避難階段・屋外出口から、道または公園・広場などの空地まで。歩行距離ではなく通路幅の規定です。原則1.5m以上、階数3以下かつ延べ面積200㎡未満の建築物では90cm以上です。敷地内通路の条件を確認してください。

歩行距離は図面上の直線距離と同じ意味ではありません。令121条第3項は「通常の歩行経路」と共通する重複部分を対象にします。一方、令126条の3は「水平距離」と明記します。測定線を引くときは、条文の語と起点・終点を一組にして記録します。壁角から一律50cm離れる条件は、ここで扱う令120条・121条の条文に定められていません。図面の一覧には各条の起点、終点、距離の種類、用途や面積条件を分けて記録し、別規定の数値を共通の基準にまとめないようにします。

消防法令の消火器・誘導灯は別の配置基準

消火器の20mは、建築基準法の階段までの歩行距離とは別の規定です。消防法施行令第10条の消火器具を、消防法施行規則第6条第6項に従い、対象となる階・場所の各部分から一の消火器具までの歩行距離が20m以下となるように配置します。一般の階、危険物・指定可燃物の保管場所、電気設備のある場所は同項の号で分けて判定します。

誘導灯の有効範囲も消防法令に属します。消防法施行令第26条が設置対象を定め、施行規則第28条の3は避難口誘導灯・通路誘導灯(階段または傾斜路に設けるものを除く)の区分、表示面、視認性に応じて歩行距離の上限と計算方法を定めています。見通せない、または識別できない場合の有効範囲は10m以下です。誘導灯も消火器も、建築基準法令の「避難距離」と同じ値で判定するものではありません。規則の表では、避難口誘導灯はA級60mまたは40m、B級30mまたは20m、C級15m、通路誘導灯はA・B・C級で20m・15m・10mです。矢印記号の有無で避難口誘導灯の距離が変わり、表示面寸法を使う算定式もあります。

消防設備起点から終点まで根拠
消火器具対象となる各部分から、その部分に適応する一の消火器具まで。規則で定める歩行距離は20m以下。消防法施行令第10条、消防法施行規則第6条
避難口・通路誘導灯各部分から誘導灯までの有効範囲。表示面の区分・方向記号・視認性で距離が変わり、規則の表または表示面寸法による式で判定。消防法施行令第26条、消防法施行規則第28条の3

性能検証による適用除外は別に判定する

令129条は階避難安全検証法、令129条の2は全館避難安全検証法による確認を定めています。性能が確認された階・建築物では、各条に列挙された規定が適用されなくなる場合があります。検証法を使うだけで「距離規定全体」が一律に除外されるわけではありません。対象となる階・建築物、構造条件、適用除外として列挙された条項を照合します。

同じ図面で次に確認する記事

出典

  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第120条・第121条・第125条・第126条の3・第126条の4・第128条・第129条・第129条の2 — e-Gov法令検索(2026年10月20日時点の施行中条文)。
  • 非常用照明の免除に関する平成12年建設省告示第1411号 — 告示本文。平成30年国土交通省告示第516号による改正は新旧対照表、国土交通省資料。
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第10条・第26条 — e-Gov法令検索。
  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第6条・第28条の3 — e-Gov法令検索。