排水口空間とは?吐水口空間との違いと寸法の読み方
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答え:排水口空間は、間接排水管の末端と、水受け容器のあふれ縁との間に確保する離隔です。汚水が逆流したときに機器側へ届く経路を物理的に切るため、管端はあふれ縁より上方で開口します。
全国一律の「50mm・100mm・150mm」と決まっているわけではありません。建築基準法令の要求と、採用する自治体・設計基準の数値を分けて確認します。給水側の吐水口空間とは測る位置も用途も異なります。
排水口空間はどこからどこまで測るか
排水口空間は、機器から出る間接排水管の末端を、水受け容器に直結せず上方で開放して設ける空間です。測る起点は排水管の管端、終点は水受け容器のあふれ縁。配管の途中や容器底からではありません。排水管の先を容器の水や排水口へ差し込むと空気の縁切りがなくなるため、容器があふれたときに機器側へ逆流する経路ができます。
水受け容器の条件も採用する基準に照らします。大野城市「排水設備技術基準」(令和4年1月)の例では、飛散・溢水しない形状・容量・排水口径とトラップを求め、排水状況を確認しやすい場所に設け、手洗い・洗面・料理用器具との兼用を禁じています(第3章12(4)「水受け容器」)。これは同市基準の記載例で、設計前に所在地の現行基準と対象機器を確認します。
排水口空間と吐水口空間は測る対象が違う
| 空間 | 測る位置・目的 |
|---|---|
| 排水口空間 | 間接排水管の管端から水受け容器のあふれ縁まで。排水系統から機器側へ逆流する経路を切る。 |
| 吐水口空間 | 給水装置の吐水口最下端から受水器具の越流面まで。受水側から給水装置への逆流を防ぐ。 |
| 数値の根拠 | 排水は採用する自治体・設計基準、給水は給水装置の法令基準を確認する。 |
どちらも空気で縁を切る考え方ですが、配管の向きと測定点が異なります。給水側の基準表を排水側へ転用したり、「管径の2倍」などを採用根拠なしに全国共通値として使ったりしないでください。給水側の定義・呼び径別の数値は吐水口空間の記事で確認できます。
法令が求める間接排水と、設計基準の寸法を分ける
現行の建築基準法施行令第129条の2の4第3項は、排水配管について、排出する雨水・汚水の量や水質に応じた容量・傾斜・材質、排水トラップや通気管などの衛生措置、排水施設への接続等を求めています。これを受けた昭和50年建設省告示第1597号は、冷蔵庫・水飲器などの機器排水、滅菌器・消毒器、給水ポンプや空気調和機、給水タンク等の水抜管・オーバーフロー管など、告示が列挙する排水管を排水管へ直接連結しない構造を定めています。
告示第1597号は現在も有効な告示として法令沿革に掲載され、改正は4回、最終改正は平成22年国土交通省告示第243号です。厚生労働省掲載ページは制定時本文で、冒頭の令条番号は当時の番号です。現在の法令の根拠条項はe-Govで建築基準法施行令第129条の2の4として確認します。
施行令・告示が示すのは排水設備の性能や構造方法です。e-Govの現行施行令第129条の2の4と、告示1597号の改正反映本文で確認できるのは、排水設備の性能・構造方法や指定機器排水の直接連結禁止です。これらに管径別の「50mm・100mm・150mm」表はありません。実際の寸法は、自治体の排水設備技術基準、採用する設計規準、施設・発注者の仕様、機器メーカーの図面を照合して決めます。
自治体の基準表にある数値例を適用条件付きで読む
大野城市上下水道局「排水設備技術基準」(令和4年1月)の表3-4では、間接排水管の管径に応じた排水口空間を次のように定めています。これは大野城市の排水設備基準の例で、全国一律の法定値ではありません。
| 間接排水管の管径 | 排水口空間(大野城市の例) |
|---|---|
| 25mm以下 | 最小50mm |
| 30〜50mm | 最小100mm |
| 65mm以上 | 最小150mm |
表にない管径を前後の欄から補間しないでください。大野城市の基準は、間接排水管を機器ごと・排水の種類ごとに分け、水受け容器の排水状況を確認しやすくすることも示しています。実案件では当該自治体の最新版、対象機器、飲料水槽・貯湯槽などの扱いを確認します。
受水槽のメーカー図面で接続経路を確認する
積水アクアシステムの現行公式カタログ「セキスイパネルタンク」(2026年6月掲載、PDF 26ページ・冊子50ページ)には、受水槽の水抜弁・排水管、オーバーフロー管、水受け側、排水口空間、トラップの関係を示した断面図があります。図面の寸法はその製品・掲載図の説明であり、他メーカーや別の受水器具へそのまま移す設計値ではありません。
現場図面では、機器の排水口から受け先まで配管を追い、①どの機器排水が対象か、②管端がどこで開放されるか、③受水器具のあふれ縁をどこに取るか、④採用基準の必要寸法を確保するか、⑤受水器具のトラップと清掃・点検ができるかを一枚の断面図で照合します。管端が受水器具の中へ差し込まれていないか、図面寸法とメーカー施工図が合うかも確認します。
よくある質問
排水口空間は常に50mmあればよいですか?
いいえ。50mmは大野城市の表で管径25mm以下の欄にある例です。より太い管径、飲料水槽や機器の種類、別の自治体基準では条件が異なります。対象の基準を確定してから数値を当てます。
排水口空間は「吐水口空間」と同じですか?
いいえ。給水側の吐水口空間は、給水装置の吐水口と受水器具の越流面の間です。排水側の排水口空間は、間接排水管の管端と水受け容器のあふれ縁の間です。測定点も根拠となる基準も別です。
機器排水を排水管へ直接接続してもよいですか?
告示第1597号が直接連結を認めない区分に当たる機器排水は、告示の構造方法と採用する設計・自治体基準に沿って間接排水とします。機器名だけで判断せず、系統図、排水の性状、受け先、最新の適用基準を確認してください。
まとめ
排水口空間は、間接排水管の管端から水受け容器のあふれ縁までの空間です。給水側の吐水口空間とは測定位置が異なり、同じ数値を流用できません。建築基準法令・告示の間接排水要求と、自治体や設計基準のmm値を分け、採用する地域・機器・受水槽メーカーの図面に合わせて確認します。
同じ系統で隣に確認する項目
出典・確認日
- 建築基準法施行令第129条の2の4(現行条文):e-Gov法令検索
- 昭和50年建設省告示第1597号の制定時本文:厚生労働省掲載資料。法令沿革(現行・4回改正、平成22年告示243号まで):国立国会図書館・日本法令索引。同ページ掲載の制定時文にある旧令条番号は現行根拠として用いません。
- 告示1597号の改正反映本文を掲載する行政資料:京都市上下水道局「排水設備技術指針」令和5年版・参考資料(PDF pp.71–73付近)。掲載文の条番号は改正時のままのため、現行施行令との対応はe-Gov法令検索で確認します。
- 大野城市上下水道局「排水設備技術基準」令和4年1月・表3-4:大野城市公式PDF。地域の設計基準の例。
- 積水アクアシステム「セキスイパネルタンク」現行公式カタログ(2026年6月掲載、PDF 26ページ・冊子50ページ)の受水槽断面図:メーカー製品資料。図示例であり、個別物件の法定寸法を定める資料ではありません。
確認日:2026年10月12日。設計・施工では、現行法令、採用基準の版、所在地の下水道管理者・特定行政庁の適用範囲を照合してください。