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無窓居室とは?1/20・1/50の違いと規定別の判定

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答え:「無窓居室」に共通する一つの判定式はありません。採光・避難・排煙・非常用照明・内装制限・主要構造部で、対象となる開口や割合、そこから生じる規制が別です。住宅の採光で使う1/7、避難規定の入口となる1/20、排煙上の判定に使う1/50を同じ基準として扱わず、確認する規定ごとに判定します。

とくに、令第116条の2の1/50は居室の床面積を分母とする排煙上の判定、令第126条の3の1/50は防煙区画部分の床面積を分母とする排煙設備の構造基準です。数字が同じでも別の条件です。

本文の基準日と11月1日の改正:本文は2026年10月19日の施行中条文を基にしています。9月16日公布の令和8年政令第284号は、11月1日から令19条2項4号の児童福祉施設等の採光対象に大臣指定の除外規定を追加します。詳細を定める関係告示は10月19日時点では案です。11月1日以後の設計・申請では、改正後条文と公布された告示の適用条件を確認してください。改正概要・施行日/関係告示案。

「無窓居室」は、何の規定を判定するかで意味が変わる

窓が見えるかどうかだけで、建築基準法上の無窓居室を一律に決めることはできません。居室の採光を求める法第28条、避難規定を適用するための令第116条の2、排煙設備の設置を定める令第126条の2、非常用照明の設置を定める令第126条の4、内装制限を定める令第128条の3の2などが、それぞれ独自の条件を持っています。主要構造部は法第35条の3と令第111条で判定します。

一つの居室が、ある規定では「窓のある居室」と扱われても、別の規定では窓が不足していることがあります。先に「無窓か」を決めるのではなく、用途・規模・階を確認したうえで、必要な規定ごとに有効開口を算定します。

規定ごとの判定基準

  • 採光:法第28条第1項・令第19条・第20条。居室の種類ごとの割合と採光補正係数で判定します。住宅の居住用居室は原則1/7です。
  • 避難規定:令第116条の2第1項第1号。採光に有効な開口の合計が床面積の1/20に満たない居室が判定対象です。令第117条の適用範囲と合わせて確認します。
  • 排煙設備:令第116条の2第1項第2号。指定された天井・壁部分にある開放可能な開口の合計が、床面積の1/50に満たない居室が判定対象です。
  • 換気:法第28条第2項。換気に有効な開口面積が床面積の1/20以上か、令第20条の2などに適合する換気設備があるかを確認します。
  • 非常用照明:令第126条の4。対象となる建物・居室に加え、令第116条の2第1項第1号の開口条件も設置義務に関係します。用途などによる除外があります。
  • 内装制限:令第128条の3の2。床面積50㎡超で開放できる開口が床面積の1/50未満などの条件があり、天井高6m超はこの条の対象から除かれます。令第128条の4・第128条の5の対象用途・仕上げも別途確認します。
  • 主要構造部:法第35条の3・令第111条。採光上有効な開口が床面積の1/20未満で、さらに避難上有効な開口の寸法条件も満たさない居室は、原則として区画する主要構造部を耐火構造又は不燃材料とします。

採光の不足と、避難規定の1/20は別の判定

法第28条第1項は、住宅・学校・病院などの用途に応じ、居室に採光のための窓その他の開口部を設けるよう求めています。割合は一律ではなく、令第19条の表で居室の種類ごとに決まり、住宅の居住用居室は原則として床面積の1/7です。令第20条は、開口部ごとの面積に採光補正係数を乗じて採光に有効な面積を計算する方法を定めています。

これに対し、令第116条の2第1項第1号の1/20は、法第35条に基づく避難規定で使う判定です。住宅の居室で採光有効面積が床面積の1/10相当なら、特別な緩和の適用を別に確認する必要がありますが、通常の1/7を満たさない一方、1/20以上という避難規定側の基準は満たす場合があります。採光の適否と避難規定上の無窓判定は、同じ図面から別々に計算します。

令第19条第3項ただし書と昭和55年建設省告示第1800号(令和5年国土交通省告示第86号で改正)は、一定の措置を満たす居室の採光割合を1/10とします。改正後の告示は住宅居室の照明設備に床面50ルクス以上を求めます。対象用途と措置要件を確認し、どの居室にも使える緩和と解釈しないようにします。

実務では、窓の記号だけでなく、家具や後施工の間仕切りで開放できる部分がふさがれていないかも現況で確認します。神戸市の住宅転用案内も、家具や壁で窓を塞がない配置を確認点に挙げています(同案内は一般的な2階建て戸建て・延べ面積200㎡以下を想定した地域の実務案内で、全国共通の判定基準を示すものではありません)。

排煙と換気の1/50・1/20を混同しない

令第116条の2第1項第2号の1/50は、排煙上の開口を持つ居室かを判定する基準です。数えるのは、開放できる天井又は壁のうち、床面から天井までの距離に応じて国土交通大臣が定める部分の開口です。要件を満たす給排気口がある場合は大臣の算定方法を使います。窓ガラスや開口部の全面積をそのまま合計せず、該当する居室の令第126条の2の設置対象・免除条件も確認します。

換気は火災時の煙を排出する制度ではありません。法第28条第2項は換気に有効な開口面積を床面積の1/20以上とし、所定の換気設備を設ける場合の技術基準は令第20条の2などに委任しています。機械換気があっても、採光・排煙・避難の判定を満たすとは限りません。

さらに、令第126条の3第8号には、排煙口面積が防煙区画部分の床面積の1/50以上で、直接外気に接する場合に排煙機を省略できる条件があります。これは令第116条の2の「排煙上の無窓居室」とは目的も分母も違います。自然排煙の有効開口や機械排煙の要否も、関連する排煙規定として分けて確認します。

非常用照明は、排煙上の無窓判定とは別に確認する

令第126条の4は、一定の特殊建築物、階数・延べ面積の条件に該当する建築物の居室などに非常用照明を求めています。その対象には、令第116条の2第1項第1号に該当する開口部を有しない居室も含まれます。ここで参照されるのは避難規定側の1/20であり、排煙判定の1/50ではありません。

一戸建て住宅や共同住宅の住戸、病院の病室・寄宿舎の寝室、学校等には条文上の除外があります。また、避難階とその直上・直下階で避難上支障のない居室など、個別の条件による除外もあります。単に「窓が少ないから必要」「窓があるから不要」とは決めず、令第126条の4の対象・ただし書と非常用照明の構造基準を合わせて確認します。

内装制限の無窓居室は、面積と天井高も条件になる

法第35条の2・令第128条の3の2で使う無窓居室の判定は、令第116条の2とは別です。令第128条の3の2第1号は、床面積が50㎡を超え、開放できる部分が床面積の1/50未満となる居室を挙げ、天井高が6mを超えるものを除外しています。同条第2号には、法第28条第1項の採光規定に適合しない、用途上やむを得ない居室もあります。

この判定に当たっても、内装制限がすべての建物・居室に一律にかかるわけではありません。令第128条の4で対象となる建物や部分、令第128条の5が定める壁・天井の仕上げを確認します。令第129条の階避難安全検証など、性能を確かめた場合の適用除外も別の規定として確認します。

主要構造部は令第111条で別に判定する

法第35条の3は、令で定める窓その他の開口部を有しない居室について、その居室を区画する主要構造部を耐火構造又は不燃材料とすることを原則とします。ただし、法別表第一(い)欄(一)項の用途に供するものは、同条ただし書によりこの限りではありません。令第111条第1項では、採光有効面積が床面積の1/20以上の開口に加え、直接外気に接する避難上有効な開口(直径1m以上の円が内接できる、又は幅75cm以上・高さ1.2m以上)も別に判定します。採光だけの1/20判定では足りません。

令第111条には、避難上支障がない居室を適用対象から除く委任規定があります。その詳細を定めるのが令和2年国土交通省告示第249号です。告示には、就寝用を除く床面積30㎡以内の居室や、避難階等からの歩行距離による基準のほか、避難経路の区画、消火設備、煙・ガスの安全確認、非常用照明、自動火災報知設備など複数の条件が定められています。令和5年国土交通省告示第207号による改正は2023年4月1日に施行されています。面積や避難距離だけで緩和の適用を決めず、改正後の告示全体に照らします。

図面では、規定ごとに開口面積と対象条件を記録する

室用途・床面積・開放条件を確定し、採光・換気・排煙の開口を別々に算定します。非常用照明、内装制限、主要構造部も個別の適用条文とただし書を計算表に記録します。

ふすま・障子など随時開放できるもので仕切られた室を一室とみなす規定は、法第28条第4項、令第116条の2第2項、令第111条第2項など各条にあります。間仕切りの状態や対象規定を確認し、ある条文の扱いを他の判定にそのまま広げないようにします。

同じ現場で隣に確認する項目

出典・確認日

  • 建築基準法(昭和25年法律第201号)第28条、第35条、第35条の2、第35条の3:e-Gov法令検索
  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第19条、第20条、第20条の2、第111条、第116条の2、第117条、第126条の2、第126条の3、第126条の4、第126条の5、第128条の3の2、第128条の4、第128条の5、第129条:e-Gov法令検索
  • 住宅居室で床面50ルクス以上を確保する照明設備等、採光割合を1/10とする措置(令第19条第3項ただし書・令和5年国土交通省告示第86号、2023年4月1日施行):国土交通省・改正告示
  • 採光措置により床面積に対する割合を1/10とする基準(令19条3項ただし書、昭和55年建設省告示第1800号。令和5年国土交通省告示第86号で一部改正):国土交通省・改正告示
  • 主要構造部を耐火構造等とすることを要しない避難上支障がない居室の基準を定める件(令和2年国土交通省告示第249号、2020年4月1日施行):国土交通省・告示本文
  • 換気設備の構造方法を定める件等の一部を改正する件(令和5年国土交通省告示第207号、2023年4月1日施行。告示第249号の改正を含む):国土交通省・改正告示/建築基準法等に基づく告示の制定・改正情報
  • 窓を家具・間仕切りで塞がない配置の確認例:神戸市「住宅を転活用する方へ」(同市の住宅転用向け案内。法令数値の根拠ではありません。)

確認日:2026年9月28日。個別計画では、適用時点の法令・告示と用途、階、規模、現況を確認し、判断が分かれる場合は特定行政庁又は指定確認検査機関へ照会してください。