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避難階段と特別避難階段の設置基準|5階・15階・地下階

結論 — 避難階段は、一定階へ通じる直通階段に求められる構造。15階以上・地下3階以下は原則として特別避難階段

建築基準法施行令第122条は、5階以上または地下2階以下に通じる直通階段を、令123条の避難階段(屋内・屋外)または特別避難階段とし、15階以上または地下3階以下に通じるものは特別避難階段とするのが原則です。階数・用途に加え、条文に書かれた面積や構造の例外を確認します。

物品販売店舗では、別に3階以上の売場・屋上広場へ通じる2以上の直通階段が必要になる場合があり、5階以上の売場へ通じる階段は1以上、15階以上の売場へ通じる階段はすべて特別避難階段とします。店舗の定義は令121条第1項第2号(床面積の合計1,500㎡超)を参照してください。

「直通階段なら避難階段」ではありません。令120条・121条で直通階段の距離や必要数を確かめ、令122条・123条で必要な階段の種類と構造を照合します。

基準日と11月1日の改正:本文は2026年10月20日に施行中の条文に基づきます。令和8年政令第284号による令112条の改正は2026年11月1日施行予定です。関連告示は10月20日時点で意見募集中のため、案の条件を現行の竪穴区画要件として本文に取り込んでいません。11月1日以後は改正後の条文と公布された告示を確認してください。改正の公布・施行予定/関係告示案の意見募集状況。

避難階段と特別避難階段は、名前が似ていても求められる構造が異なります。特に「5階以上」「15階以上」は、階段がその階に通じているかで判定し、店舗用途には追加条件があります。最初に階数と用途を分け、その後に構造・幅を確認します。

令122条で確認する設置対象

令122条の「直通階段」は、避難階または地上に通じる階段です。避難階以外の階から直通階段までの歩行距離は令120条、2以上必要となる用途・面積条件は令121条が定めます。令122条は、必要な直通階段にどの構造種別を求めるかを定める条文です。

建物・階の条件令122条で求める階段面積条件・読み分け
5階以上の階、または地下2階以下の階に通じる直通階段令123条の避難階段(屋内・屋外)または特別避難階段主要構造部が準耐火構造または不燃材料の建築物では、5階以上/地下2階以下の該当部分の床面積合計がそれぞれ100㎡以下の場合、第1項本文の対象から除かれる。
15階以上の階、または地下3階以下の階に通じる直通階段令123条第3項の特別避難階段第1項末尾には、特定主要構造部が耐火構造の建築物で、階段室・昇降機の昇降路(乗降ロビーを含む)・避難用廊下等のうち所定の耐火区画済み部分を除き、床面積の合計100㎡以内ごと(共同住宅の住戸は200㎡以内ごと)に耐火構造の床・壁または特定防火設備で区画した場合は、第1項本文を適用しないただし書がある。特定防火設備には、直接外気に開放された階段室の換気窓(開口面積0.2㎡以下)に設けるものも含まれる。
床面積の合計が1,500㎡を超える物品販売店舗を3階以上で営む建築物各階の売場と屋上広場に通じる2以上の直通階段。各階段は避難階段または特別避難階段店舗の床面積条件は令121条第1項第2号の括弧書きによる。第122条第2項の2階段条件は、第1項末尾のただし書とは別に確認する。
上記の店舗の5階以上/15階以上の売場に通じる階段5階以上は1以上、15階以上はすべてを特別避難階段とする令122条第3項。売場階へ通じる階段について、第2項の2以上の条件に追加して判定する。

第1項の100㎡以下という除外と、特定主要構造部・区画によるただし書は、条件を混ぜずに読みます。第2項・第3項の物販店舗の階段数・特別化は別の義務です。令121条の「二以上の直通階段」が必要かどうかも、用途と床面積、構造、避難階との位置関係を確認してください。

令123条が定める3種類の構造

令123条は、屋内に設ける避難階段、屋外に設ける避難階段、特別避難階段を分けて構造を定めています。次の表は主要な違いです。開口部の例外や防火設備の仕様は、該当項・号と令112条第16項・第19項を合わせて確認します。

種類構造の要点見落としやすい条件
屋内避難階段
令123条第1項
階段室を原則として耐火構造の壁で囲む。天井・壁の室内側は不燃材料で仕上げ、下地も不燃材料とする等の措置を講じる。採光上有効な開口部または予備電源付き照明を設け、耐火構造の階段を避難階まで直通させる。階段室の屋外側開口は、各1㎡以内で所定の防火設備付きはめ殺し戸を除き、建物の他の開口部や非耐火の壁・屋根から90cm以上離す。屋内側の窓にも1㎡以内・防火設備・はめ殺しの条件がある。
屋外避難階段
令123条第2項
階段は耐火構造とし、地上まで直通させる。屋内から階段へ通じる出入口には、第1項第6号の防火設備を設ける。階段は、通じる出入口以外の建物開口部から2m以上離す。各1㎡以内の所定の防火設備付きはめ殺し戸がある開口は、この距離条件の対象から除かれる。
特別避難階段
令123条第3項
屋内から階段室へはバルコニーまたは付室を介して連絡する。付室を通る場合は煙が階段室へ入るのを有効に防ぐ構造とする。階段室等を耐火構造の壁で囲み、室内側を不燃材料で仕上げる等の措置を講じ、階段は耐火構造で避難階まで直通させる。屋内から付室・バルコニーへの出入口は特定防火設備、そこから階段室への出入口は防火設備。15階以上・地下3階以下に通じるものは、当該階の居室面積を基準に、階段室等の床面積合計が法別表第一(い)欄(1)・(4)用途で8%、その他で3%以上という条件もある。

屋外階段だから自動的に「屋外避難階段」になるわけではありません。2mの離隔、出入口の防火設備、耐火構造、地上までの直通という令123条第2項の条件を確認します。屋内階段の90cm条件と屋外階段の2m条件も別の規定です。

特別避難階段の付室の煙対策は、平成28年国土交通省告示第696号が具体的な構造方法を定めています。告示には外気へ開く窓、排煙風道や排煙機、加圧防排煙など複数の方法があり、窓の開口面積2㎡(非常用エレベーターの乗降ロビーと兼用する場合は3㎡)はそのうちの一方法の条件です。すべての付室に一律の窓面積として当てはめないでください。告示696号第四号には令和7年国土交通省告示第998号の改正があり、改正後は令126条の3第2項に基づく国土交通大臣認定による方法も含まれます。

物販店舗では階段幅も別に計算する

物販店舗(令121条第1項第2号の対象)の避難階段・特別避難階段と出入口には、令124条の幅の条件もあります。階段の合計幅は、地上階ではその階より上、地階ではその階以下のうち床面積が最大の階について、床面積100㎡につき60cm以上です。出入口の合計幅は各階ごとに計算し、床面積100㎡につき地上階は27cm以上、地階は36cm以上です。1階または2階の地上階だけから避難階・地上へ通じる階段や出入口は、所要幅の計算上、幅を1.5倍とみなせる場合があります。屋上広場は階として扱います。

直通階段・竪穴区画・排煙設備との関係

  • 直通階段(令120条・121条) — 歩行距離の上限と2以上必要な階を先に確認し、その階段が令122条・123条の種類・構造を満たすかを別に確かめます。距離と重複区間は歩行距離・重複距離の記事で整理しています。
  • 竪穴区画(令112条第11項) — 主要構造部が準耐火構造(特定主要構造部が耐火構造の建築物を含む)または令136条の2第1号ロ・第2号ロの基準に適合し、地階または3階以上に居室がある建築物の竪穴部分に関する防火区画です。階段を避難階段にしたことだけで竪穴区画の適用・例外が決まるわけではありません。両方の条件を照合します。令112条の竪穴区画も参照してください。
  • 排煙(令126条の2・第126条の3) — 建築物内の排煙設備の設置条件と、特別避難階段の付室から階段室への煙流入を防ぐ構造は、根拠条文・対象を分けて確認します。付室の構造方法には告示696号または大臣認定のルートがあります。
  • 非常用エレベーターの乗降ロビー(令129条の13の3第3項) — 特別避難階段の付室・バルコニーをロビーと兼用する場合、ロビー側の構造条件も適用されます。兼用時は告示696号の該当寸法と、乗降ロビー1基につき10㎡以上など令129条の13の3第3項の条件を合わせて確認します。

同じ図面で次に確認すること

出典