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廊下の幅は何m?令119条の基準・適用範囲・測り方

結論 — 廊下幅は一律ではなく、令117条の対象か、廊下の用途・階・配置によって決まります

令119条の表では、学校の児童・生徒用廊下は両側に居室がある場合2.3m以上、その他は1.8m以上です。病院の患者用、一定規模の共同住宅の共用廊下、居室面積が基準を超える階の廊下は、配置により1.6m以上または1.2m以上です。

この表が住宅や事務所の全廊下に一律でかかるわけではありません。まず令117条で対象建築物を確認し、表の面積条件と「3室以下の専用廊下」の例外、建築地の条例を分けて読みます。

廊下幅を調べるときは、数値だけでなく「どの建物の、どの廊下に、その行が当たるか」を先に確かめます。階段幅を定める令23条や、車いす使用者用の経路に適用されるバリアフリー基準も、令119条の表とは別に確認します。

令119条の幅は用途・配置別に読む

建築基準法35条は、避難施設等について政令の技術基準に従うことを求めています。令117条第1項は、廊下・避難階段・出入口などを定める同節の適用範囲を定め、令119条が廊下幅を表で示します。

令119条の表には、学校の児童用・生徒用廊下と、病院の患者用・共同住宅の一定の共用廊下・一定規模以上の階の廊下という二つの用途区分があります。各区分の幅は、両側に居室がある廊下か、それ以外かで読み分けます。

廊下の用途・配置必要な幅
小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校の児童用又は生徒用(両側に居室)2.3m以上
同じ児童用・生徒用廊下(その他の配置)1.8m以上
病院の患者用、共同住宅の対象階の共用廊下、又は一般廊下の床面積条件に当たる階(両側に居室)1.6m以上
同じ患者用・共用・一般廊下(その他の配置)1.2m以上

下の1.6m・1.2mの行は、次の条件を取り違えないように分けます。

  • 病院の患者用廊下は、令119条の表で対象です。
  • 共同住宅は、住戸又は住室の床面積の合計が100㎡を超える階にある共用廊下が対象です。100㎡ちょうどは「超える」に当たりません。
  • そのほかの廊下は、階の居室床面積合計が200㎡を超える場合に対象です。地階は100㎡を超える場合です。ただし、この条件の廊下からは「3室以下の専用のもの」が除かれます。

「3室以下の専用廊下」の除外は、表の最後の一般廊下の条件に付くものです。病院の患者用や、共同住宅で100㎡を超える階にある共用廊下まで一律に除く意味ではありません。

令117条に当たる建物で令119条を確認する

令117条第1項の対象は、法別表第一(い)欄(一)から(四)項の特殊建築物(劇場等、病院・宿泊施設等、学校等、店舗等)、3階以上の建築物、令116条の2第1項第1号に該当する窓等のない居室がある階、又は延べ面積が1,000㎡を超える建築物です。表の用途欄にある廊下の種類と、令117条の建物スコープは別々に照合します。対象となる区画が耐火構造の床・壁で分かれている場合などは、令117条第2項の扱いも確認します。

住宅・事務所だから自動的に令119条の幅になるわけではありません。建物が令117条の対象かを先に見て、そのうえで廊下が令119条の用途区分・床面積条件に当たるかを判定します。たとえば一般の事務所廊下は表に用途として列挙されていませんが、令117条の対象建築物で、居室面積条件に当たる階の廊下なら、表の一般廊下の欄を確認します。共同住宅の共用廊下は用途区分に明記された別の条件です。

有効幅は狭くなる場所を図面で拾う

令119条は幅の数値を定めていますが、条文の表だけでは、柱型・手すり・固定設備のある場所でどの線を測るかを図示していません。計画図では廊下の最も狭い箇所を確認し、柱や固定設備などが通行空間へ出る場合は、その位置で確保できる幅を示して所管窓口に確認します。

測定例として、新潟市の2025年版「建築基準法取扱い」には、段差、給湯器等、固定消火器、ドアノブ、手すり、柱の出っ張りごとに「有効幅」を示す図があります。柱が出る部分は柱面から、固定消火器や手すり等は通行空間側の端から測る例が示されています。FL+2m以上の高さにある突出部は別の図で扱われているため、同じ水平面の張出しとして見ない例もあります。これは新潟市の取扱い例で、全国一律の条文定義としてではなく、建築地の特定行政庁の取扱いと照合してください。

令23条第3項には、階段・踊場の手すり幅を10cmまで無いものとみなす扱いがありますが、これは階段の規定です。廊下に同じ緩和を適用できる根拠として使わず、廊下の有効幅は廊下の規定と所管行政庁の取扱いで確認します。

バリアフリー基準の120cmは移動等円滑化経路の幅

建築物移動等円滑化基準は、令119条とは別制度です。法14条1項の義務対象となる規模は、令9条で原則として床面積合計2,000㎡以上、公衆便所は50㎡以上です。増築・改築・用途変更の場合、令9条はその増築・改築・用途変更に係る部分の床面積で判定します。法14条3項により、地方公共団体の条例で対象用途や規模を拡大・追加したり、基準を付加したりできるため、条例も確認します。通常の対象建築物では、令19条が定める「移動等円滑化経路」を構成する廊下等に、幅120cm以上などの基準が適用されます。法14条3項により地方公共団体が義務対象の規模を500㎡未満に定め、床面積500㎡未満の特別特定建築物(公衆便所を除き、条例で指定する特定建築物を含む)が条例対象となる場合は、令10条2項の「条例対象小規模特別特定建築物」に当たります。この場合、令26条1項が令19条を準用し、廊下等の幅120cmを90cmに読み替えます。これは建物内のすべての廊下に120cmを当てはめる規定ではなく、対象建築物と経路の範囲を確認します。

さらに、国土交通省令第114号の「建築物移動等円滑化誘導基準」は別の基準です。多数の者が利用する廊下等は幅180cm以上、50m以内ごとに車いすがすれ違える場所を設ける場合は140cm以上としています。120cmの移動等円滑化基準と、法17条の認定計画で用いる誘導基準を混ぜないでください。

東京都など建築地の条例も別に照合する

自治体は地域の条件に応じて、国の規定に追加する条例を定めることがあります。東京都内では、東京都建築安全条例第20条が共同住宅・寄宿舎・下宿の廊下について独自の条件を定めています。例として第20条第3項は、所定の寄宿舎・下宿で居室床面積合計が100㎡を超え200㎡以下の階について、3室以下の専用廊下を除く廊下を1.2m以上とします(第21条の例外も別途確認)。また、第26条はその階の床面積合計が500㎡を超える連続式店舗の廊下を、両側に店舗がある場合3m以上、その他2m以上とします。第44条は興行場等の客用廊下について、客席定員に応じた幅を定めています。これらは東京都内の該当用途に限る規定で、全国の廊下に一律に当てはめるものではありません。

現場・図面で確認する順序

  1. 建物用途・階数・延べ面積・窓のない居室を整理し、令117条の対象か確認する。
  2. 廊下の用途を特定し、令119条のどの表の行かを決める。
  3. 共同住宅は住戸・住室の床面積合計、一般廊下は各階の居室床面積合計と地階かどうかを確認する。
  4. 両側に居室がある廊下か、それ以外かを区分する。一般廊下では3室以下の専用廊下の除外も確認する。
  5. 柱・手すり・固定設備を含む最狭部を平面図に記し、バリアフリー法令と地域条例の適用も照合する。

適用対象や幅の取り方が分かれるときは、廊下の用途・隣接する室・床面積計算・障害物を示した平面図を用意し、特定行政庁または指定確認検査機関に確認してください。

同じ現場で隣に確認する項目

出典・確認日

確認日:2026年10月。用途、階・床面積、廊下の利用者、配置、地域条例を確定してから適用条文を照合してください。